2008年05月07日

感謝大安売り

私が子供だった頃、高校の先生がこんな話をしてくれました。

ある会社に口数の少ない上司がいて、その人の部下は、上司がにこにこして冗談を言ったり、誰かの仕事ぶりを誉めたりしているところを一度も見たことがなかったそうです。

そんな上司が、ある日、部下に向かってぽつり「ありがとう」と言ったそうです。他の人に言われたのならどうってことないその言葉が、部下にはとてつもなく有り難く聞こえた・・・という話でした。

先生は「感謝の言葉は、しょっちゅう口にしていては有り難味がない」と言ってこの話を締めくくりました。

私は「ふうん。そんなものかぁ。」と心の中でつぶやきました。

それから私も大人になって、ある時しみじみとこの話を思い出すようなできごとに遭遇しました。

先生の話に出てきた上司とは対照的に、ことあるごとに「感謝」を連発する上司に出会ったのでした。

もちろん上司に感謝された人々は、その熱烈な感謝の言葉や演出に心から感動し、感激の涙を流す人さえいたほどでした。

上司の感謝は止まるところを知らず「粗品」と書くべき熨斗にまで感謝としたためるほどでした。

きっと本当に真心から出た言葉だったのでしょう。きっと本当に・・・。

にもかかわらず、ほとんどの部下はその上司に好感を抱いていませんでした。なぜなら、部下たちは誰もその上司に感謝されたことがなかったからでした。

一番身近にいて、一番上司に尽くしていた部下たちだったのに・・・。

私はもう「ふうん。そんなものかぁ。」と心の中でつぶやいたりしませんでした。

あまりにも身近過ぎるといろんなことが当たり前になってしまって、わざわざ感謝する必要を感じなくなるものかも知れません。

部下たちは、たくさんの感謝の言葉より、たった一言ねぎらいの言葉が欲しかったのでは・・・。
posted by PFC at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供だった頃 | 更新情報をチェックする
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