2007年04月09日

見えないチカラ

今日の表題はある写真集のタイトルです。

目の不自由な人々が撮影した奇跡的な写真を集めた「全国盲人写真展」。盲人写真家の作品を立体コピーシステムと点字を使い、目の不自由な人でも手で触れることによって写真を感じることができるという世界的にもほかに類をみない写真展です。


その写真展を私は昨年鑑賞しました。「目の自由・不自由を越えて、心で感じる」写真には違いないでしょうけど、私の予想とはちょっと違っていました。

どの作品もまるで目が見える人が撮ったように、構図もピントもばっちりなのです。私が予想していたのは、見える人には撮れない「あっ」と驚くような構図やピントの合っていない素敵な写真です。

見える人の写真が「狙って」撮っているとしたら、きっと見えない人は無心で撮っていらっしゃるに違いないから、そこにはきっと見える人には「見えないチカラ」が働いているだろうと思っていたのでした。

狙ったような写真が悪いわけではありません。まるで見えること=標準と考え、標準に近づき過ぎて、せっかくの「見えないチカラ」がどっかいっちゃったような気がして、なぜだか少し残念だったのでした。

平成6年5月31日の日経夕刊に国民金融公庫総裁の尾崎さんという方が「あすへの話題」というエッセイでこんなことを書いておられます。

南フランスのニースの隣にあるアンティーブというところのピカソ美術館を訪ねていった。ここでは通常の説明に点字の説明が添えられているのが胸をつかれるような思いであった。目が不自由であっても美術館に来る人がいると考える心の広さは、あの碧(あお)い海が生み出すものなのだろうか。


ピカソの画集にも、点字と立体で作品を楽しめるものがあるそうです。

musse picasso のサイトはこちらです。海辺に佇むお城を美術館として使っています。2008年のリニューアルオープンまで閉館中だそうです。

目が見えても見えなくても、写真を撮ったり絵画や写真を鑑賞したりする。それが当たり前だと考え、それを実現するために心を砕いている人こそどんな芸術よりも美しいです。

せめて無心で写真を撮れるといいけど、こんなんしか撮れませんでした(>_<)。

 


南仏にも菜の花や葱坊主は生えているでしょうか。右の写真の左下に小さく写っているのは、空き巣になって裏庭に落下した蜂の巣です。
posted by PFC at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | デジカメ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
美術館で展示の説明。
言われてみれば納得です。ふだん何気なく見過ごしている自分の中に、すでに固定観念があったんですねえ。

聞こえなくても身振り手振りで音楽を楽しむ人もいますものね。まず自分の中の垣根を取っ払わないと、と思いました。
Posted by さくら子 at 2007年04月11日 21:42
そうですね。
見えない人が見える人と
同じような写真を撮れるわけがない
という固定観念がありますね。

この写真展はそんな固定観念を
みごとに打ち砕いてくれました(^.^)

でもやっぱりちょっと残念・・・。
Posted by PFC at 2007年04月12日 20:08
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