2004年12月01日

イチローの思い出(訂正あり)

私が子供だった頃、同じクラスに皆からイチローと呼ばれている男子がいました。イチローは、中学校で1、2を争う秀才でした。忘れもしない中学生になって最初の英語のテストで、私はそのイチローよりいい成績をとりました。

凡才の私が良い成績をとれたのは、たまたま入学前に年長のきょうだいに教わって英語の勉強をしていたから、ほんの少しだけ他の生徒より先んじることができただけでした(今なら幼児教育で英語を学びますが、当時は一般的ではありませんでした)。それも小学生の面白半分のお遊びでした。

お遊びの結果だから私は単純に「わーい」と喜んでいました。そこへ同級生の男子がやってきてこう言いました。
「おい、お前のせいでイチローが泣いてるぞ」


「えっ」と驚いてイチローの席を見ると、机に突っ伏すようにしてイチローが泣いていました。その時、他の生徒がどんな反応をしたのかは覚えていないけれど、私にとってはショーゲキ的な姿でした。

よほど凡才の私に負けたことが悔しかったのか、男子なのに女子に負けたことが悔しかったのか、とにかく負けず嫌いなだけだったのか、その全部が涙の理由だったのか・・。

テストで人よりいい成績をとることは、まだ中学1年生になったばかりの私にはそれほど大事なことではありませんでした。「自分にとってそれほど大事なことではないことで泣いている人がいる」これが私にはかなりショーゲキ的でした。

「別に(私は負けても)いいのに・・・」そう思いました。それからは、楽しかった英語の勉強もなんだかつまらなくなりました。

ま、もともと頭のデキが違うので、イチローはあっと言う間に名誉挽回し、国立大学に入学しましたけどね。そして、皆が社会人になってから同窓会で会ったイチローは立派なサラリーマンになっていました。

その時、誰かが「なんだ、結局サラリーマンか・・」と呟きました。皆、口には出さなかったけれど、クラス一の秀才に憧れと夢を抱いていたのでした。
「きっとイチローは、凡人とは違う人生を歩むのだ」みたいな・・・。

人生厳しいっスね。

蛇足 「皆、口には出さなかったけれど、」という文の皆のなかに私は入っていませんでした。なにしろ私にはイチローの涙の理由がよくわからない。あの涙はどうしても1番でなければ気がすまないとか、人の上に立ちたいという願望の裏返しだったのだろうか?もしそうだとしたら、その気持ちはどこから来るのだろう・・。やっぱり私にはわからない。

訂正 これを書いたあとで(正確には書きながら)少しずつ記憶が蘇ってきました。同窓会の日に「なんだ、結局サラリーマンか」と言った男子のことです。彼は何かの事情で進学できなかったか、受験に失敗したか、とにかく何かの理由があってやっかみ半分であのせりふを吐いたのでした。あの時「おい、やめとけ」と言って誰かが彼の発言をいなしたのも思い出しました。だから「イチローに憧れと夢を抱いていた」という記述は間違いです。書いたあとで気色悪かったので訂正します。
posted by PFC at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供だった頃 | 更新情報をチェックする
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