2008年06月11日

落書き

私が子どもだった頃、高校の女子トイレのドアにこんな落書きがありました。

「悪の商人ナントカ」

黒々とした太い文字で、それは目線よりやや高い位置に書かれていました。「ナントカ」のところには、ある財閥系企業の名前が書いてあって、学校の先生が苦笑しながら「今でもこんなこと書くヤツがいるのかぁ」と言いつつ落書きをごしごし雑巾でこすって消していました。

先生が「今でも」と言ったのは、団塊世代が闘争に敗れてから随分時間が経っていたからでしょう。もしかしたら、先生は自分の青春を思い出して苦笑していたのかも知れません。

財閥解体」については、こんな説明があります。

お金がなければ生きていけない世界に生きていて「悪の商人」と無縁でいられる人は少数派なのかも知れません。

もしかしたら戦争に負けた日本人のほとんどが、知らないうちに(あるいは歴然と)その残滓をすすって飢えをしのいできたのでしょう。

その高校は昔は寄宿制で英語で書かれた教科書を使って勉強させるなど、日本の植民地政策に沿った海外で通用する実業家を育成することでは名門校だったことを私が知ったのはずっと後のことです。
posted by PFC at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供だった頃 | 更新情報をチェックする
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